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Channel: うたかたの思い
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ミュージカル正岡子規

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昨年の4月3日から東温市の坊っちゃん座で
ロングラン中のミュージカル正岡子規は
3月末が終演だから最終段階に入りました。
見学してきました。

  === なぜ今、子規なのか ===  

劇中歌を聞けば、ある程度、理解できると思うのです。
終わり近く、子規役の近藤真行が唄います。

   命果てても 人の心は 人の心面影残す。
   嘆きはやがて 空にのぼり 思い出だけが 人を包む
   生きたあかしは 誰も消せない

正岡子規、俳句の改革を試み、ありのままに写生します。
肺病から転移した脊髄カリエスを患い、激痛に、もだえ苦しみながら
自分の意思を曲げず壮絶に生きようとした男です。

病いに臥せつつ『病床六尺』を書きましたが、わずかの感傷も暗い影もなく、
死に臨んだ自身の肉体と精神を客観視し写生した優れた人生記録で、
今でも読まれています。

死を見つめる子規は、この部屋から庭を眺め、宇宙を作り上げます。

機械文明に押し流されようとする現代社会の中で人類はこのままでいいのか。
もっと自然を見つめ、循環する一切のクウキを身中にとりいれることは
できないのか。改めて、子規の人生観と歩んだ道を記録しておきたい。
制作の意図はこのあたりにあるのでしょうかな。

 ?H3>ミュージカル 正岡子規

冒頭、ベットの子規の周りで、死神どもが乱舞します。この男は何故くたばらないのか。
手下は言います「最近始まった17文字のマジナイのおかげで往生しないのです」それは俳句だというのです。
「17文字のマジナイ」とは何だ。秘密があるに違いない。さっそく探りにかかります。

ジェーム三木という人


このミュージカルの脚本、作詞。演出を手がけた人です。
坊っちゃん劇場開幕以来のミュージカルは、すべて三木さんが担当しています。

私は、30年近く前、今治市で勤務していました。
市内で居酒屋を営む女将と知り合いました。

女将さんは年をとったお母さんを喜ばせるために、偽りでもいいから
結婚式をあげたい。ドレスを着る私の相手役で、お婿さんを探していると話していました。

この気持ちを受け止め、白いタキシードで東京から乗り込んできたのは
ジェームス三木さんでした。
ホテルで式のまねごとをすることになり、今治在住の知人は、来賓として
出席、花束を捧げることになるのです。
いやな顔一つしなかった三木さん。
偉い人なんだ」という印象が消えません。

?H3>松尾芭蕉と子規が対面

子規が近づいた子規の病床を松尾芭蕉が訪ねます。
びっくりです。
そのシーンの中で、
芭蕉の句 荒海や佐渡によこたう 天の川について
子規は俳句は写生でなければならないと持論を崩しません。

芭蕉は、子規死直前の句 糸瓜咲て痰のつまりし仏かなについて
議論を吹っかけますが、写生であるべきだと言い切ります。
子規の考えは、死の直前になっても、変わりませんでした。

子規、芭蕉ご対面の架空場面をつくり強調したかったのだと思います。

子規が生前、見たかったのはサーカスとか、自転車競技だとか、ライオンも
含まれていました。
弟子たちとの会話の中で出てきたのですが、作者の気配りだと感じました。

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