Quantcast
Channel: うたかたの思い
Viewing all articles
Browse latest Browse all 30

小津安二郎全集(DVD9巻)

$
0
0

イメージ 1

?H3>小津安二郎とは

あまりにも古~い昔の話なので、少々解説が必要でしょう。

大正12年 3月に上京し松竹キネマ蒲田撮影所に入社した映画監督です。
初めての大ヒット作は昭和16年の「戸田家の兄妹」。戦後は『長屋紳士録』で復帰。
昭和24年の『晩春』で小津映画を貫くスタイルに到達したといわれました。
小津作品の特徴といえばローポジションと切り返しといわれる編集技術です。
地面ギリから撮影する独特なカメラアングルなのです。
切り返しとは対話するふたりとかけらを結ぶ三角形の頂点かAB交互にアップを
撮る。会話ごとのアップを繰り返すことをいいます。

以後、『麦秋』『東京物語』などの名作を立て続けに発表し、興行的な成功も得て、
日本映画界の重鎮となります。この時期の多くの作品は野田高梧との共同脚本であり、
原節子や笠智衆などをメインキャストとしています。

?H3>今 氾濫する格安DVD

このところ、格安のDVDが氾濫しています。洋画でも邦画でも
著作権消滅による、古い映画を再編集したDVDを1枚500円を切る
価格でお手軽に見てくださいという編集意図が奏功して売れ行き順調の
ようです。
日本の映画監督で筆頭という人気を誇る黒澤明の作品をDVDに再編集して
ボックス販売したこともあります。羅生門、7人の侍、野良犬、生きるなど
を作品が10枚以上入った価格が、庶民のくろさわファンにとっても
手が届か無かった高額であったため、爆破的な人気は出ませんでした。

そこで、小津安二郎没後50年と、格安DVD時代をセットにして
全集発売の計画が出たのでしょう。
発売されたことは聞いていました。だが、値段のことまで取材出来て
いませんでした。
何気なくのぞいた書店で、DVDコーナーの小津安二郎全集を見つけました。
値段派と見ると、1980円。買わないという選択はありませんでした。
格安でなければ、1セット1万300の値がついています。

 

小津安二郎全集の中身


順不同になりますがご紹介します。

戸田家の兄弟、麦秋、晩春、父ありき、風の中の牝鳥、一人息子、
お茶漬けの味、長屋紳士録、東京物語 以上9点。

早速、見ているのが東京物語です。笠智衆、東山千栄子、原節子らが
生き生きと動いているなかで、ローアングルの撮影が続きます。

ちゃぶ台に並ぶ家族の表情をとらえるため、たたみに直接置ているのでは
ないかと感じるほどカメラ位置は低いのです。
親子二人がちゃぶ台を囲んで、ビールを飲むシーンでは
切り返しがふんだんに使われています。
笠と東山の二人が熱海海岸の堤防に腰掛け時々言葉を交わしている姿も
ローアングル。小津安のすべて・・・。

彼の作品は1927年懺悔の刃から1962年秋刀魚の味まで54作にのぼります。

私も、映画には目がない青春時代を送りました。が、全集の中で見たのは
ただの1本。麦秋だけなんです。
この9本を何日かけて見るのか。思うだけでニコニコです。

実は私、10日が81回目の誕生日。いいプレゼントをいただきました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 30

Trending Articles