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Channel: うたかたの思い
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展覧会 白洲正子 神と仏、自然への祈り

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28日、開展式に招かれてから、この展覧会を
ブログに投稿しようか、やめようかと随分考えました。

一人の随筆家が、神と仏に興味を持ち、さらに巡礼を続けることに
よって、心が磨かれ、日本の古典美について傾注したという
物語を、どう書いていくか。難しいことですし、
愛媛の地と関係の無い女性のコロロを描いてみても
ブログを見た人が果たして納得していただけるだろうかという
思いが、頭の片隅に残り、悩んだのです。

 

白洲正子という随筆家

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白洲次の妻です。
終戦直後、連絡中央事務局長、経済安定本部次長として
対米交渉に当たってきた日本の官僚というか、実業家といった方がいいのか、
評価は分かれるが、当時の首相吉田 茂の側近としてGHQと渡り合った人物
であることに違いはありません。

正子は19歳で次と結婚、文学の道へ没入していくのです。
樺山伯爵の次女にあたります。

自然への祈りとサブタイトルにあるように、白洲は自然の美しさに
心を奪われ、西国巡礼、隠れ里、を旅するうちに
神、仏の美を仏像に見いだしたのだと思えたのです。

 

展示された仏像の美しさ


2月展示場正面に、宇治平等院から出品された、雲中菩薩像の1体が迎えて
くれます。平等院にはの木造の飛天は52駆残りますが、
うち北1号が1駆、木目の美しさを残して、陳列されています。
選ばれた1体といえるでしょう。彩色がすっかりはげ落ちた仏像の
趣があり。対面すると自然に頭が下がるのです。

 

展示物と短い文章で説明します

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たとえば、女神座像(京都・松尾大社)のそばには
かみさま 「仏像とは異質の美しさを持つ神像は、その名に背かぬ
ふしぎな魅力をたたえて、今、私の目の前にある」。
磨き抜いた文章ではない。カミサマを前にとっさに出た、つぶやき
だと思うのです。
10の項目で並んだ仏像、神像は四国に住む私たちが、たやすく
拝観出来る物ではありません。
重要文化財35件を含む作品が10のコーナーに分けて展示しています。


 

身内でないとこんな展示会は構成できません

(3)
イメージ 3

彼女が歩いた道を掘り起こし、文と像を並べる手法です。
ただ一人のプロデユーサーが、お座なりにやってのけた展示会では
ありません。白洲正子を愛した人でないと構成出来ない展覧会で
あるはずです。
主催の担当者に尋ねました。そうでした。お孫さんにあたるようです。

はじめは躊躇していましたが、是非見ていただきたいと思っています。

3月6日まで、愛媛美術館。
学芸員によるフロアレクチャーが2月5日と2月26日に予定されています。
美術講座は2月12日、2月19日。対話型鑑賞プログラムは毎週日曜日です。

写真は即売場です。

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